FAP療法, アダルトチルドレン, カウンセリング, 横浜, 複雑性PTSD 2022/01/20 (木) 9:46 PM
休みの日に近くの公園に行ってきました。遠くに梅の一群があって赤くなっていて「おっ!」って思いました。1月なのですが梅の花は咲いていました。早いですね。
時々私は自己研鑽のために、せっせせっせとバンデアコーク先生の論文を読み進めている感じです。ちょっとこの論文は実は難しいのですが読み進めています。
時々、トラウマとホルモンの話とか出てくると「??!」ってなってしまうのですが、先生のトラウマ治療に対する情熱を感じ、それだけでとても嬉しく感じ、先生の論文に噛り付いて読み進めております。
トラウマとホルモンの関係について掲載されていました。
オピオイド(Endogenous opioids)というホルモンは、いわゆるトラウマの感覚を麻痺させてくれる作用がホルモンだというのです。
そしてそのオピオイドが作用してくれる影響で、繰り返されるトラウマの経験に対し苦痛を麻痺させる事で、その状況に対応する事が出来るというのです。加害者からの攻撃に対し、このホルモンを分泌させることで痛みを感じずに対応する事が出来るのです。
しかしこのオピオイドは、記憶を整理する事を妨害するというのです。そして記憶が損なわれてしまうという事は経験から学び、次に生かしていくという事が難しくなってしまうと言うのです。
「なるほど~」って思いました。
「トラウマの再演やトラウマ性健忘の問題って、ここから来ているのか」と思ったのでした。非常に興味深いです。
トラウマに関連する問題というのは、日常生活の多岐にわたる感じがあります。それはご自分の生活の一部や性格かのように組み込まれてしまっている場合もあるかもしれません。
例えば、自己主張する事が難しいという問題などがあったりします。
ご自分の頭の中では、言いたい事や相手に対する怒りや納得いかない気持ちがご認識されている。
そして「嫌だ!」って言えたら、どんなに楽かっていう事も深く理解している。自己主張できないご自分を駄目だって、間違って捉えてしまっている。
だけれどもトラウマの観点から見てみると、非常に合点が行く部分があるのですね。
先ほどのバンデアコーク先生の論文にもありましたが、過酷なトラウマを経験すると麻痺を起こすホルモン(オピオイド)が分泌されて記憶が欠損してしまうのですね。
一般の経験だったら「あ~あんな嫌な事があったら、次はこうしよう」と学習し、自分が楽な展開を選び取って行く事が出来る。だけれどもトラウマとなって、しかもそのトラウマの記憶が欠損してしまっていることで、人間関係などで苦しい関係を繰り返してしまう事になるのですよね。
ご本人は「どうしていつもこの苦しい人間関係のパターンになってしまうのか?」と思ってしまっている。だけれどもトラウマの影響によって、学習する事が難しくなって、人間関係の苦しいパターンを繰り返しているのですよね。
当相談室では、このようなトラウマから派生する問題に対しFAP療法を用い、トラウマ治療を進めさせて頂いております。記憶から欠損しているトラウマについてアプローチしてく事が可能となります。トラウマの記憶と感情を統合して行く事で、「トラウマに支配されない”私”」の行動を選択できるようになって行くのです。
つまり日常の出来事について経験から学習し、”私”が主体で動いて行くことができる様になられるのです。
トラウマから解放されて”私”が幸せになって行く選択をする事が出来るのです。
●カウンセリングをご希望の方は、こちらからご予約頂けます。
<参考文献>
Bessel Van der Kolk . The Body Keeps the Score:Memory and the Evolving Psychobiology of Post traumatic Stress. Harvard Review of Psychiatry1994; 1-21.
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい
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