アメリカのユング派の心理療法家エレイン N・アーロン(Elaine N.Aron)は、感受性や共感性が敏感で、対人関係にやすらぎを覚えることができず、自己評価も低くいつも疲弊している人を、 HSP(highly sensitive Person)/HSC(highly sensitive Child)と呼び、心理学的な概念として提唱しました。
アーロン自身が過敏な人で生きづらさを感じていたことから「敏感すぎる人」をテーマに研究をしたそうです。
HSPは人口の20%(5人に1人)と言われています。
こんな傾向に心当たりはありませんでしょうか。
以下の質問で、HSPの自己診断ができます。12個以上「イエス」と回答された場合、HSPの気質が高いとされます。
●HSPセルフチェック質問紙
『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ』
エレイン・N・アーロン [著]・冨田香里 [訳] 講談社 / ソフトバンク文庫から引用
アーロンは、以下の4つの特性が強いとHSPの傾向があると述べ、4つの特性の頭文字を取って「DOES」と呼んでいます。
1. 情報処理の深さ(Depth of processing)
ひとつの事にじっくりと時間をかけて真摯に取り組むため、 感覚刺激を過剰に処理する結果、疲弊してしまう。
2.刺激の感じやすさ(Over stimulated)
人は意味がない刺激に対し心のフィルターを通さずに、受け取らないようにします。その刺激の中で必要な情報を受け取ります。HSPの方々は感受性が高く、この情報の取捨選択が難しくなってしまう傾向があります。よって外界からの刺激を処理するにあたり、一度に多くの情報を処理しないといけなくなってしまう為に疲弊してしまうことがあります。
3. 情緒的反応と高い感受性
(Emotional reactivity and high empathy)
人の感情や思考を読み取ったり、思いやりが深く相手との関係において感情移入してしまう為、他者との境界線を越えてしまい対人関係で問題に巻き込まれやすくなってしまう。 高い共感能力、豊かな感受性をもっているため芸術を深く理解できる特性がある。
4. 微細な刺激に対する感受性
(Sensitivity to subtle stimuli)
音、匂い、光、人からの言動などに対し人一倍敏感になってしまう為、まぶしい光、食品やカフェインなどの刺激物、芳香剤の匂い、車のクラクションなどに苦痛を感じたり、他者の何気ない一言をいつまでも忘れることができず、苦しんでしまう。
HSPの方には、他者への共感性の深さ、危険や恐怖を素早く察知する予知能力や気づきの速さ、芸術への深い理解と感受性などの高い能力があります。
アローン博士は、HSPの「敏感さ」は天から与えられたギフト、才能と言います。創造的、かつ豊かな人生を送るために不可欠な要素であります。
実際に、アインシュタインや作家のカフカ、漱石、ゴッホはHSPだったと言われています。
しかし社会では、 HSP気質の方を「敏感すぎる、細かい、丁寧すぎる」などとネガティブな傾向にとらえるため、HSPの方は健全な自己肯定感を持つことができず、生きづらさを感じてしまいます。しかしそれはもしかしたら周囲からのあなたの才能への嫉妬かもしれません。
面接では短期間で効果を期待できるFAP療法を用い、治療をご提案させて頂きます。本来眠っている「力」を生かし「楽しく自由に生きる”私”」と出逢えるよう、誠心誠意ご対応させて頂きます。
●HSPはアダルトチルドレン(AC)、複雑性PTSD等の問題とリンクする場合が考えられます。FAP療法についてと合わせてお読み頂ければと思います。