FAP療法, アダルトチルドレン, カウンセリング, トラウマ治療, 横浜 2021/09/18 (土) 4:40 PM
日々、幼少期からのトラウマを抱えた方々、様々なトラウマの問題を抱えた方々と接しています。
多くの方々はトラウマにまつわる問題、例えばPTSDの諸症状(回避、過覚醒、再体験)、ネガティブな自己評価、対人関係の不信感、感情のコントロールの問題などを抱えておられます。
これらの状態はWHO(世界保健機構)が発行しているICD-11の、複雑性PTSDの状態でありますか。この複雑性PTSDの問題には、認知行動療法やEMDRなどのトラウマ治療の治療法での介入が有効と研究では報告をされています。
当相談室ではFAP療法を用いてご提案をさせて頂いております。幼少期のトラウマの問題を抱えている方々が、今現在の日常生活の中で自由に回復していかれる姿を拝見しています。
そんな時、ご来室当初の姿はトラウマに影響を受けた姿でいらっしゃったんだなと実感します。
このFAP療法のメリットとしていくつかございます。それは記憶から欠損しているトラウマの問題を対応できる事、そしてセラピストとして感じるのが、言語化しにくいトラウマにまつわる感情についてアプローチ出来るという事です。
実際に幼少期におけるトラウマの経緯について、「トラウマ性健忘」といって記憶が欠損してる事はよくございます。実際にそのトラウマの記憶がないけれど、フラッシュバックや対人関係における再演の問題が起こっているのです。その記憶にないトラウマをアプローチして行く際に、非常に有効であると実感します。
また人は心の傷に向き合う際に「否認」といって問題に向き合うことを抵抗する気持ちがあるのです。ですので、それらのトラウマの経験を向き合い認めて、そして言語化して行くというのは至難の技であることがあります。
ましてやフラッシュバックのように飛び出してくる感情を拾い、それを記憶と繋げて言語化して行くというのは、針に糸を通すような作業でもあるようにセラピストとして実感致します。
そしてそのトラウマ性記憶をクライアントと同等に、セラピストが感じ共感していく事がトラウマ治療では必要となってきます。それによってトラウマの記憶と感情が統合されて、過去の出来事として消化されて行くのです。
その際、言語化しにくいトラウマ性記憶を言語化して頂き、共感して行く事はセラピストの技量に左右されてしまう事もございます。
それらのトラウマ治療に対する難点を、FAP療法はクリア出来るのです。
2018年、2019年、2020年、2021年に国際トラウマティックストレス学会、国際トラウマ会議にて、継続的にFAP療法の統計的研究、事例発表をさせて頂きました。
統計的にもFAP療法はトラウマの問題に対し有効であるという結果が出ております。FAP療法の効果としてトラウマによって解離してしまった記憶と感情を統合する事ができ、トラウマ症状の改善と日常の適応状態の改善が確認できました。
つまりFAP療法は幼少期からのトラウマを抱えてサバイブしてこられた方々が、楽にそれらの問題から解放されて自由に人生の可能性を広げて行く療法であると実感致します。
●カウンセリングをご希望の方はこちらをご覧下さい。
●FAP療法についての著書『本当の私よこんにちは FAP療法で過去を手放し「今」を生きる』大嶋 信頼 著がございます。FAP療法をもっと知りたい方はお読み頂けばと存じます。
【参考文献】
大塚 静子、 大嶋 信頼 :トラウマ治療の有効性について: FAP療法を用いてトラウマ治療を行った研究 . 第34回国際トラウマティックストレス学会.ワシントンDC. 2018
(Shizuko Ohtsuka, Nobuyori Ohshima:Efficacy of trauma therapy Clinical study on FAP therapy for psychological trauma, International Society for Traumatic Stress Studies 34th Annual Meeting, Washington,DC, 2018)
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