児童期性的虐待のトラウマと回復 2026/02/25 (水) 2:13 PM
先日、じゃがいもを植え付けました。近頃は暖かい感じなのでこのタイミングで良いかもと思いました。今年は大きなバケツ型のコンテナで育てます。これからどんなふうになるか楽しみです。
日々、様々な方々の回復される姿を拝見しています。それぞれがご自分に良く向き合い、そして少しずつ力をつけてこられていらっしゃいますね。よく頑張っていらっしゃいます。
また児童期性的虐待の論文について読み進めました。Iris M. Steine ら(2020)についての児童期性的虐待と自己破壊の関連性についての論文です。以下になります。
児童期性的虐待のトラウマと自己破壊的傾向というのは連動しているという事を常々感じています。論文を読み進める中で「納得だな」という事を感じました。
児童期性的虐待を受けた大人のサバイバーを対象とした、児童期性的虐待と持続的自傷行為や自己破壊の関連性と要因についての研究
<背景>
児童期性的虐待は自傷行為、自己破壊の危険因子であるという事が知られている。
しかし児童期性的虐待の対象の中で、個人差について調べている研究は少ない。
<目的>
児童期性的虐待の中での自傷行為、自己破壊の要因を調べていく。
<方法>
被験者の対象は516人。ノルウェイにある性的虐待サポートセンターに所属する女性サバイバー。性的虐待、加害者の性質、累積した児童虐待のタイプ、その重症度について調査した。
児童期性的虐待の問題を抱える人達の自傷行為、自殺企図の要因について調査した。その516人中、138人が最初の調査後の2年~4年のフォローアップに対応してくれた。
そのフォローアップ期間中における自傷行為、自殺企図についても調査を行った。PTSD、不安、抑うつ、睡眠障害、摂食障害、人間関係の問題、ソーシャルサポート、メンタルヘルス等の要因がどう自傷行為の問題に影響しているか調査した。最後にフォローアップ期間中(検査後 2年~4年)に新たな自己破壊があった状況について調査し、それが無い対象群と比較調査した。
<結果>
幼少期における累積した虐待、見知らぬ人からの性的虐待を受けた対象は、自傷行為が高い傾向を示した。また累積した虐待の問題、暴力の虐待、見知らぬ加害者からの被害を受けた対象は、自己破壊が高い傾向があったとしている。
知人からの性的虐待を受けた者は高い抑うつ傾向、不安感、摂食障害の問題を抱え、4年間のフォローアップ期間中に自傷行為が続いていたという結果であった。
フォローアップ期間中に自己破壊をが無い対象と比較し、期間中に新たな自己破壊があった対象は、幼少期において累積した虐待を経験しており、自傷行為、精神症状や人間関係の問題を抱えているという事が分かった。彼らはソーシャルサポートを受けているスコアが低く、過去に自己破壊や身体的暴力を受けていたとしている。
今後、児童期性的虐待の経緯のある大人を対象とし、最近の自傷行為や自己破壊の潜在的要因の要因について調査すべきである。
児童期性的虐待のトラウマと自己破壊的傾向というのは連動しているという事を常々感じています。論文を読み進める中で「納得だな」という事を感じました。
児童期における性的虐待のトラウマにより、年を重ねて大人になってからも自己破壊という問題を抱えてしまうという、非常に理不尽な現実があるという事を論文を読み進めていく中でより深く認識しました。
トラウマの性質として「解離」という問題があります。解離というのは自分の感覚が麻痺をさせることによって、目の前で起こっている過酷なトラウマの現実をやり過ごすという自分の心を一時的に守る心の対応であります。
しかしその到底受け入れ難い、トラウマに関連する耐え難い痛みの感覚と記憶は「解離」という対処方法によって「一時的に棚上げ」という状態になってしまうのです。
おそらくこの解離させた性的虐待に関連するトラウマの記憶と感情が、フラッシュバックしてくることによって大人になってからの自己破壊の問題を抱えてしまうという事が考えられます。
本来は自分の問題ではないこの性的虐待の感情が年月が経っても整理されない事によって、自分を破壊してしまうという形で浮上してしまっているのです。
回復の一つのポイントとして「自己破壊がなぜ起こっているか?」という事をトラウマ視点で理解していく事だと感じます。
ご自分の問題ではなく、過去の耐え難い苦しみが大人になって力がついてきた中で、「自分の苦しみはここにあります」と過去の自分が大人の自分にメッセージを送っているということ。
そして「児童期性的虐待のトラウマの影響によって、破壊的な問題が出ている」と認識していく事。そうしていく事で、ご自分を許し、そして大切なご自分を守りトラウマを手放していく事ができるようになると実感致します。
当相談室では短期で安全な形でトラウマの問題を手放していける、師匠の大嶋先生がご提唱しているF A P療法を用いながらトラウマ治療をご提案しております。
壮絶なトラウマの過去ご自分の歴史の一部として認め、整理していく。そして「過去の事」として捉えていく事によって、当時の到底受け入れ難い破壊の感覚は影をひそめて行き、少しずつ本来のご自分の人生を取り戻していけるようになっていくのです。
【参考文献】
・Iris M. Steine at all. (2020). Predictors and correlates of lifetime and persistent non-suicidal self injury and suicide attempts among adult survivors of childhood sexual abuse, EuropeanJournal of Psychotraumatology, 11-1.
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ご興味のある方はご参照下さいませ。
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい。
著書
『甦る魂』はこちらをご参照下さい。
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