複雑性PTSD 2023/10/21 (土) 12:44 PM
今日も横浜はいい天気であります。朝に庭の苗コーナーを覗いて見たらレタスが発芽をしていました。とっても小さい小さいレタスの双葉が出ていました。これからどんな風に大きくなるのか楽しみですね。
日々、多くの方々がご来室されています。
本当に良く怒涛の中を生き抜いて来られたと実感致します。
そして彼らのこれまでのストーリーをお伺いさせて頂くと、複雑性PTSDの問題が頭をよぎります。複雑性PTSDの状態は以下の様であります。
複雑性 PTSDは最も一般的に、逃れることが困難もしくは不可能な状況で、長期間・反復的に、著しい脅威や恐怖をもたらす出来事に曝露された後に出現します。(例:拷問、奴隷、集団虐殺、長期間の家庭内暴力、反復的な小児期の性的虐待・身体的虐待)
診断はPTSDの診断(再体験(フラッシュバック)、過覚醒、回避麻痺症状)に加え、以下の様な深刻かつ持続する症状によって特徴付けられる。
1)感情コントロールの困難さ
2)トラウマ的出来事に関する恥辱・罪悪・失敗の感情を伴った、自己卑下・挫折・無価値感
3)他者と持続的な関係を持つことや親近感を感じることの困難さ
色々なトラウマ治療の論文などを読み進めていますと、非常に興味深いなと感じます。色々な心理療法がありますが、その中でもPTSDには効果があっても複雑性PTSDには効果が出にくいという論文等が見受けられます。
その「PTSDと複雑性PTSDの差って何だろう?」って思った時、この下線の1~3の指標の部分なのですよね。これらはDisturbances in self-organization (DSO)と呼ばれていて、複雑性PTSD特有の指標なのですよね。
つまりこのDSOをうまく治療するか否かによって、複雑性PTSDの治療結果に差が出てしまうという事が考えられるのですよね。
PTSDの3つの指標(過覚醒、再体験、回避)は治療出来ても、この複雑性PTSD特有のDSOと呼ばれる1)感情のコントロールの困難さ 2)自尊感情 3) 他者との親密な関係を構築する困難さの3つの部分が効果的に治療できる事が、複雑性PTSDの治療効果に左右すると考えられるのです。
師匠の大嶋先生がご提唱されているFAP療法での複雑性PTSD治療では、このDSOの治療に対して非常に効果があるという事が、師匠のご指導とクライアントさんのご協力の元での統計で明確になりました。※詳細資料はこちら
これらのDSOの3つの指標というのは、トラウマによって解離してしまった感情によって大方問題が作られていると考えられます。
トラウマによる傷によって対人不信になってしまったり、虐待によるフラッシュバックによって感情がアップダウンが激しくなってしまう等。
これらの幼少期のトラウマに関連する記憶と感情を、FAP療法は的確に短期間に統合することができる点が、複雑性PTSD(DSO)の治療効果の結果に出ていると感じます。
これまで乗り越えて来た複雑性PTSDに関連する様々な症状は、ご自分の性格の一部と思われているかもしれません。
「自分は不安定な性格だ」とか、「自分は自信がない」等。
だけれどもそれはある意味、幼少期にサバイブして来られたトラウマの出来事に対する、当然の感情が浮上しているだけなのですよね。
FAP療法でこれらを一つ一つ「過去の大切な出来事」として整理して行くうちに、本来のご自分の姿が見えてくるのですよね。
その凪の世界の中で「本来の私はどんな人生を歩みたい?」っていう事が、複雑性PTSDの回復の姿なのかもしれません。
そんな姿を拝見させて頂くのが、とっても楽しみなのでした。
●ご興味のある方はこちらからご予約を頂けます。
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい。
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