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コラム:自己評価についてのカウンセリング

コラム   2026/03/06 (金)  11:27 AM

自己評価についてのカウンセリング:共依存がやめられない

 

自分に価値を感じない人は、何がしたいのかがわからないかもしれません。自分の中に自分の役割が見つかりません。自分の中に生きる意味が見つからず活き活きとした感覚がブロックされています。

 

そこで他人の悩みや困り事の中に飛び込んでゆきます。

「あなたが喜ぶ、楽になる、元気になる」と思って人に世話を焼くことが自分に価値を感じない人の生きる意味になります。しかし、その生きる意味が相手の人格成長を無視してエゴイスティックに振る舞うことは、人間関係を不穏にしたり、生きづらさの問題になります。

 

私の役割や生きる意味に飢餓感を覚えて暴走している時、自分が非常にエゴイスティックなことに気づきません。ターゲットになった人が社会適応できないシステムを作ってしまいます。 

 

こうしたシステムは家族問題にはつきものです。引きこもり、摂食障害、アルコール依存症の原因にもなるかも知れません。

 

世話を焼くという自分の役割が取り上げられた時、自分はぼやけて存在意義を失います。不安で憂うつになります。自分を否定されたようにも感じて、イライラして怒りを覚えるかもしれません。

 

相手の成長を無視してでも、役割にしがみついていたいというのが、人間関係の依存症と言われる共依存かもしれません。 

 

共依存の人は、過保護や過干渉などの振る舞いに「やりすぎかな?」という判断が意識化されていません。他人を介して自己肯定感や生き甲斐、幸福感を得ないと、自分が空虚感や自己否定感ばかりに占領されてしまうと、言い換えますと、トラウマの恐怖を回避しようと無意識が指示していることが原因になっていることがあります。

自己評価についてのカウンセリング:自己評価の低い人がターゲットにするタイプと反比例な関係

 

自己評価の問題を抱えている人は、心の中で誰かに救済を求めているタイプの人をターゲットにしながら自分の役割を鮮明に感じることができます。

 

アルコールやギャンブルなどの依存症に限らず、常に人生の不満や心身の不調を訴えながら相手に「あなただけが頼りだ」的な発言をする人は、自分に価値を見いだせない自己評価の低い人に唯一無二の役割を与えてくれます。

 

一見すると非常に深い信頼関係をお互いが持っているようにも見えます。けれども、妻が夫のためにと元気よく活躍すると夫は何もせず朝から飲酒したり、ゲームに興じたり、ギャンブルの予想に没頭しているシステムを作ります。

 

時には反社会的な行動で警察介入になったりします。妻が世話焼きによって自己肯定感が高まれば高まるほど、夫のそれは益々下降してゆきます。

 

その時、この夫は依存対象に没頭することで思考停止します。夫は妻には申し訳ないという罪悪感が常にあり、十八番である自己否定発言を妻に聞いてもらうと、「妻は夫のために私が頑張る!」と感じて、いよいよ元気になってゆきます。

自己評価についてのカウンセリング:高評価される自分を演じる人とダメな自分を演じる人との関係

 

アルコールなどの依存症者(夫)と人間関係にしがみつく依存症者(妻)に共通していることはありのままの自分に向かい合うと何らの意味も見いだせなくなるという部分です。すなわち、どちらも根深い自己否定感を抱えているかも知れません。

 

依存対象を取り上げられると、どちらも存在証明や役割を失います。共依存はありのままの自分から逃げようと評価される自分(よい人)を演じます。

 

アルコールなどの依存症者は自分に罰を与えて自己否定的になり、ダメな自分を演じて世話役を活き活きとさせます。

 

一方、ありのままの自分を受け入れる自己肯定感の人は、相手から泣き言や愚痴を頻繁に聞かされると「○○さんは愚痴や泣き言、病気の話が多すぎて話が重すぎる、こっちが手取り足取りやらなければならないの!?」と不快に感じてこのタイプには近づきませんし、見向きもせずに自己を成長させてゆくでしょう。

 

自己評価についてのカウンセリング:自己否定感を必要とする機能不全家族

 

例えば、夫婦喧嘩が絶えない家庭で、子どもが病気になったり、体の痛みを訴えたり、ぜんそくの発作や摂食障害が起きたりすると、母と父は子どもに注意が向かい、ひとまずケンカを先送りしてくれます。それどころか、子どもは自分が病気になることで親が協力する姿を見て心が安心できることを学習してゆきます。あるいは、父親のアルコール依存が終息すると、その家族システムは再び問題を欲しがり、今度は娘が摂食障害になって困っているという相談は非常に多くあります。 

 

 このように、社会的にはマイナスな娘や息子の問題行動も、夫婦喧嘩抑制剤として機能させ、それを日常化してゆきます。

 

言い換えれば、それは逆さまな愛情の確認であり、問題行動を相手に表現することで「○○さん、大丈夫?」という愛情をもらえたような幻想や深い安心感が得られた気がする幻想を、無意識が手放さない心理と言えるでしょう。 

 

母親の場合であれば、夫のアルコール問題や娘の摂食障害、息子の引きこもりが継続していれば、世話焼きのイネイブラーという役割が続けられます。

 

この役割がないと、虚無感や抑うつ、イライラに怒りが噴き出すことをイネイブラーの無意識はわかっています。イネイブラーとは問題行動や依存症を助長する世話好きな人という意味です。 

 

イネイブラーの過度の世話焼きが、自立心をくじき、働かない夫、息子の引きこもり、娘の摂食障害などの問題行動を日常化します。イネイブラーはまさか自分が家族の心の成長の邪魔をしているとは思えずに過保護や過干渉を日々続けてゆくのです。

自己評価についてのカウンセリング:悪い無意識の罠とトラウマと日常化 

 

クセは治すのが一苦労です。右利きを左利きにすぐにはできません。同様に、人間関係で各々の役割がいつの間にか決まってしまうとそのシステムから脱け出せないことがあります(日常の思考は脱け出そうとする発想すらも失わせます)。 

 

家族間のトラブルが長引き、家族全員が生きづらさを感じても、「では私たちはどうすれば?」と具体的な対策を思いつかないまま現状維持の中で葛藤している状態は、身体に悪いのにやめられないタバコのようです。 

 

現状維持の状態で、どうにか家族の絆が修復できないだろうかという願望はどこからくるのでしょうか。現状維持のまま変化や成長は絶対に生まれないでしょう。そもそも、どうしてこうした生きづらさを手放さない願望を抱くのでしょうか。

 

この生きづらさの原因が親が抱えていたトラウマの問題で、自分の問題ではないと思えた時に自己肯定感は誕生します。 

 

そのためにも、日常化、常習化、慢性化した思考パターンやシステムを動かす無意識の治療が必要となってきます。気づきはそこから皆さんの中に誕生します。 

 

初回面接の聴取からジェノグラム(家系図)を観察しますと、2世代前(親の親の代)の家族関係に決定的なトラウマ体験が見つかることが多々あります。

 

そのトラウマはわたしのものではなかったという発見は、必ずよい生き方、苦しまない生き方、問題に巻き込まれない生き方を教えてくれます。

 

悪い無意識の罠から解放され、そのままの自分の中にも価値を見出せる健康な無意識と出逢えるようにトラウマ問題と日々向かい合っております。

 

●カウンセリングをご希望の方は、こちらからご予約頂けます。

 

●カウンセリングの具体的内容について(はじめての方へ)を掲載致しました。

ご興味のある方はご参照下さいませ。

 

 

【執筆者情報】

 大塚  静子

 

資格

  • 臨床心理士(NO:18162)
  • FAP療法上級資格取得

 

所属学会

  • 日本臨床心理学会
  • 日本ブリーフサイコセラピー学会
  • 国際トラウマティックストレス学会
     (International Society for Traumatic Stress Studies)

 

経歴

  • 2005年 アライアント国際大学/カリフォルニア臨床心理大学院 臨床心理学
    修士課程卒業
  • 2005年7月 アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックにて依存症治療に携わる。
  • 2009年7月 アダルト・チルドレン第一人者の斎藤 学先生がやっておられるIFF・CIAP相談室勤務。家族臨床、トラウマ治療について研鑽を積む。
  • 2014年7月 横浜にてカウンセリングルーム・グロース設立。
  • 2015年4月 浦和大学 総合福祉学部 非常勤講師 「心理療法」,「精神保健学」担当

 

研究実績

研究実績はこちらをご参照下さい。

 

著書 

『甦る魂』はこちらをご参照下さい。

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