性的虐待トラウマ治療 2026/01/07 (水) 12:06 PM
家には何種類かのシクラメンあります。
個性あふれる感じが美しいな〜って感じです。
日々、様々な方々の回復される姿を拝見しています。その姿を拝見する時、「人はどんな事があってもそこから解放され、ご自分らしい自由な世界を生きられるのだな」って事を実感します。素晴らしいですね~!
また児童期性的虐待の論文を読み進めました。Heather B. Maclntosh(2021)らの児童期性的虐待を受けたサバイバーの人達に関するパートナーシップ、親としての機能についての調査でした。2001年から2018年までの児童期性的虐待に関する研究のレビューについてです。
このレビューでは児童期性的虐待の問題が親として、どう影響を及ぼすかについての55の研究を調査したものでした。
そのレビューにおいて性的虐待のサバイバーはパートナーとの関係性で不安定な傾向になりやすいとしている。そして性的虐待のサバイバーは結婚をしにくい傾向があり、そしてより離婚をしやすい傾向があると述べている。
また性的虐待のサバイバーのパートナーとなる人は、パートナーシップを構築していく事が難しい傾向もあるとしている。そして親としてのサバイバーはご自分の子供との関係を構築するのが難しくなる傾向があり、親としての機能の乏しさを抱えてしまうとしている。
これらのレビューを読んだ時、「非常に納得だな」という事を感じました。児童期性的虐待のトラウマの本質は、複雑性PTSDの状態を抱えてしまう事と同義だからです。
複雑性PTSDはPTSDの症状、例えばトラウマに関連するフラッシュバック(再体験)、トラウマのトリガーを回避してしまう行動(回避)、怒りなどの過覚醒の3つの症状を抱えます。それと同時に性格傾向として対人不信、自己肯定感の低さ、感情の不安定さなどの3つの問題を抱えてしまいます。
児童期性的虐待のトラウマを抱えてしまう時、パートナーとの信頼関係を構築していくという事が難しくなり「家族」として機能を考えた時、パートナーとの不安定な関係性は家族の中で怒りや暴力、モラルハラスメント的な問題等を抱えてしまう事は容易に想像がつくと考えられます。
またトラウマサバイバーが親として子供を前にした時、「子供」というトラウマのトリガーによって、トラウマサバイバーである親はPTSDの症状と類似した精神状態に陥る可能性があると考えられます。
つまり目の前の子供はご自分の過去のトラウマとは別の存在なのだけれども、「子供」というトリガーによって、親であるサバイバーは常に自分の家族の中での生活に、幼少期に虐待を受けていた過去を常に抱えながら、家族が現在進行形で進む中に、親の幼少期のトラウマの過去が入り混じる状態の中で生きるという事が起こってしまうと考えられます。
その結果、子供を育てていく上で安心した愛着形成を育んでいく事が難しくなってしまうという事が考えられます。
その時に大切な要因として、まず「過去に何が起こっていたか?」という事を認めていく事かも知れません。ご自分は小さい子供だった。それゆえ自分の力ではどうする事も出来ない状況の中で戦場をサバイブしてこられた事。
それらを認めながら、児童期性的虐待のトラウマの後遺症としての複雑性PTSDの問題を抱えてしまっている事をご認識して頂く。そうする事で本当の意味でご自分を認め、そしてご自分を許していく事が出来るように実感致します。
当相談室では、スーパーバイザーの大嶋先生が提唱しています短期で安全な形で効果がある、F A P療法を用いさせて頂きながらトラウマ治療を進めさせて頂いております。トラウマから解放されるにつれて、ご自分を支配するトラウマの過去を整理し、本来のご自分の感覚でパートナーやお子さんとの関わりを構築しながら、ご自分らしい「家族」を作っていけるようになるのです。
【参考文献】
Heather B. Maclntosh & A. Dana Menard.(2021).Couple and parenting functioning of childhood sexual abuse survivors: a systematic review of the literature(2001-2018), Journal of Child Sexual Abuse, Volume 30, 2021-Issue3.
●カウンセリングをご希望の方は、こちらからご予約頂けます。
●カウンセリングの具体的内容について(はじめての方へ)を掲載致しました。
ご興味のある方はご参照下さいませ。
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい。
著書
『甦る魂』はこちらをご参照下さい。
トラックバックURL
https://shizuko-o.com/kanri/wp-trackback.php?p=8957