児童期性的虐待のトラウマと回復 2025/12/17 (水) 5:14 PM
今日は天気が良い1日でした。庭の整理をしていますと、昨年植えたヒヤシンスの芽が出ていました。「お~!」って感じであります。
暫くぶりに児童期性的虐待に関連する論文を読み進めました。
Martine Herbert(2025)らの児童期性的虐待を抱えるケースに対するPTSD、複雑性PTSDの状態についての研究でした。
この研究では、幼少期のトラウマはPTSD、そして更に複雑性PTSDの問題に発展するとしている。発達初期にこれらのトラウマを抱えてしまう事によって、愛着の問題、感情調整、自己肯定感、認知的側面、行動など多岐に問題を抱えると述べています。
被験者は861人(6歳~12歳)の児童期性的虐待を受けた人達を対象としたものでした。PTSD、複雑性PTSDの状況ついて調査をした。
うちPTSD 40.7%、複雑性PTSDでは26,5%,その他32.8%であった。複雑性PTSDグループでは他のグループと比較し、より対人関係のトラウマを顕著に抱え、その他領域(自己肯定感、感情の不安定さ)に問題を抱えており重症度が高くなっている。
この論文を読みながら思った事は、人生の早期に性的虐待のトラウマを抱えることによって、人が大人に成長していく過程で大事な基盤自体が損なわれてしまうという問題があると感じました。複雑性PTSDの問題を抱えてしまう事によって、その後の人生がトラウマによって支配されてしまうという事も実感します。
Laina Villalta(2019)らの性的虐待の研究でも、性的虐待を受けた対象はその後、複雑性PTSDに全体の40%罹患してしまうと述べていました。複雑性 PTSDでは対人不信、自己肯定感の低さ、感情の不安定さなどの問題がありますが、特に性的虐待を受けた対象は「感情の不安定さ」の問題を抱えてしまう事で、その後の適応力が損なわれてしまい、その後の人生でトラウマに晒されてしまう危険が高くなると述べています。
これらの論文から言える事、いかに適切に複雑性PTSDをベースとした3つの問題をどうスムーズに治療していけるかが、非常に大切な要因であると感じます。
トラウマから解放されて、これからの人生を再び生きていく土台を再構築していく事が、児童期性的虐待のトラウマ治療では大切であると思うのです。
当相談室ではトラウマ治療ではスーパーバイザーの大嶋先生がご提唱している、短期で安全な形でトラウマの問題をアプローチできるFAP療法を用いさせて頂きながら、トラウマ治療を進めさせて頂いております。
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ご興味のある方はご参照下さいませ。
【参考文献】
・Martine Hebert et all.(2025). Identifying PTSD and Complex PTSD Profiles in Child Victims of Sexual Abuse. Journal of Child Sexual Abuse,34, 520-538.
・Laia Villalta et all.(2020).Complex post-traumatic stress symptoms in female adlescents: the role of emotion dysregulation in impairment and trauma exposure after an acute sexual assault. European Journal of Psychotraumatology,11-1.
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい。
著書
『甦る魂』はこちらをご参照下さい。
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