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アダルトチルドレン

”私”の自由な世界を生きる

アダルトチルドレン   2025/05/20 (火)  11:01 PM

だいぶ気候が初夏のような感じになって来ました。そろそろ庭の方も衣替えをしている感じです。サルビアやペチュニアにシフトチェンジな感じであります。

 

日々、さまざまな方々の回復される姿を拝見しています。それぞれがそれぞれの本来の姿に戻っていかれているなって事を感じます。怒涛のトラウマの過去を生き抜き、本当に良くご自分に向き合って頑張っていらっしゃいます。

 

「自由に生きる」という時、色々な要因によってそれらが阻害されてしまうという事があったりします。表面的な虐待のトラウマやその他、様々な心的外傷によって自由になる力が阻害されてしまうという事は、多くのケースの方々のお話をお伺いさせて頂くにつれ感じております。

 

心というのは目に見えない部分でのやり取りというのがありますね。言葉でのコミュニケーション、そして心の中での感じている部分と2つの部分をやりとりをしながら、コミュニケーションがあります。

 

非常に興味深いのですが、セラピストという仕事をしていますと、この非言語的感覚にアンテナが張っていたりします。案外と人間の本質というのは、この部分が大きい気がします。

 

自由に生きる上で阻害される要因として「家族の中での能力差」という部分があるように感じます。機能不全家族の中、暴力依存症共依存、親と子の逆転した関係性がある中、知的に能力が高い子供は、同じ家族の中でも「理解し合えない苦しみ」を抱えてしまうという事があります。

 

他の兄弟は親とうまくやれているのに、自分だけ蚊帳の外のような感覚。そのようなお話はよく耳にしたりします。その場合、知的な能力で差があり、孤独を抱えてしまっている場合があるのです。

 

また親よりも知的に高い場合、一見すると表面的には何事も起こっていないけれど、行動面で知能が高い子供は家族達から様々な虐待や攻撃を受ける事が起こっていたりします。

「同じ兄弟でも、なぜか自分だけが一人だけ虐待を受けている」という形でこれらの問題が起こっている場合もあります。

 

家族の中でダブルバインドの問題が起こっていると考えられます。ダブルバインドとは、言葉でのメッセージと水面下でのメッセージが異なっている事によって、受け手が混乱し、その結果、問題や症状を抱えてしまうコミュニケーションスタイルの事を指します。

 

言葉では「知的に高い子供は憎たらしい」という事は親やその他の兄弟は一切言わない。だけれども「行動面」で子供に受動攻撃をし続け、その子の自由になる力を奪い、段々と能力が発揮できなくなって適応が落ちるまで、微妙な形で虐待をし続けるという場合があったりします。

 

結局は、家族の中で一人知的な能力が高い事によって虐待を受け続ける。それらの理由は色々な取ってつけた理由で行われている場合があります。

 

本質的には「あなたの自由が気に入らないから、虐待をして適応を落としてやる」という親自身が自分の人生を自由に生きられない怒りとエゴイズムによって、それらが行われている場合があるように感じます。

 

この問題は、一見すると「表面的には何も起こっていない」かのように見える事だと思います。言葉や行動面で表面化する事はないけれど、水面下で「嫉妬による親からの怒り」を受け続けるという事が起こってくるのです。それらが自由に生きる力を奪うという事があるように感じます。

 

つまり水面下(非言語)で目に見えない形で、親からの嫉妬による怒りを長期的に受け続けるという問題が起こっているのです。

 

「自由になろう」とすると、不思議と真逆の不快な感覚が浮上するという事は、水面下での自由に対する「親からの嫉妬と怒り」を受けている「条件付け」が出来上がっているという事が考えられるのです。

 

その部分を見ていく事で、物事の本質が浮き彫りになってくるのです。家族の中で知的な差がある場合、互いに理解し合えない。そして生きる世界は自ずと違ってしまう。子供の生きる広い世界を親は生きられない怒りと憎しみが底流に潜んでいる。だけどそれは表面的にはハッキリは見えてこない。

 

子供が自由に世界を飛ぼうとした途端、嫉妬と憎悪を水面下で苦々しく感じている親がいる。しかし親から表面的に言葉として「大事に思っている」という事をメッセージとして伝えられる事によってダブルバインド状態に陥ってしまう。

 

そうした時、この「ダブルバインドによって隠蔽された親からの嫉妬」は、水面下で見えなくなってしまうかも知れません。

 

回復と共に、能力差による嫉妬から派生する親からのダブルバインドによって、問題や症状を抱えてしまっていたという事が明確になってくるのです。

 

そんな呪縛から解放されていきますと、自由に対しそのまま「自由」を感じて生きることができるようになるのです。それまでは自由になると親の嫉妬と怒りが条件付けで浮上し、自由が台無しになってしまっていた。

 

それから解放されていくと、次第に”私”の広い自由な世界をのびのびと生きる事ができるようになるのです。

 

●ご興味のある方はこちらからご予約を頂けます。

 

【執筆者情報】

 大塚  静子

 

資格

  • 臨床心理士(NO:18162)
  • FAP療法上級資格取得

 

所属学会

  • 日本臨床心理学会
  • 日本ブリーフサイコセラピー学会
  • 国際トラウマティックストレス学会
     (International Society for Traumatic Stress Studies)

 

経歴

  • 2005年 アライアント国際大学/カリフォルニア臨床心理大学院 臨床心理学
    修士課程卒業
  • 2005年7月 アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックにて依存症治療に携わる。
  • 2009年7月 アダルト・チルドレン第一人者の斎藤 学先生がやっておられるIFF・CIAP相談室勤務。家族臨床、トラウマ治療について研鑽を積む。
  • 2014年7月 横浜にてカウンセリングルーム・グロース設立。
  • 2015年4月 浦和大学 総合福祉学部 非常勤講師 「心理療法」,「精神保健学」担当

 

研究実績

研究実績はこちらをご参照下さい

著書 

『甦る魂』はこちらをご参照下さい

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