複雑性PTSD 2022/05/29 (日) 2:31 PM
近頃はとても天気が良いですね。今日は朝からそら豆の収穫をしました。毎年、収穫の感じが違うのが興味深いですね。朝、天気が良いと「庭で遊ぶぞ~!」って気持ちになります。
今日は複雑性PTSDとFAP療法について書き進めていこうと思います。私自身、日々様々なクライアントの皆様の回復を拝見させて頂いております。
その回復されるお姿を拝見するにつれて、幼少期のトラウマの影響である複雑性PTSDの治療の可能性を実感します。
複雑性 PTSDとは以下の状態を指します。
逃れることが困難もしくは不可能な状況で、長期間・反復的に著しい脅威や恐怖をもたらす出来事に曝露された後に出現。(例:拷問、奴隷、集団虐殺、長期間の家庭内暴力、反復的な小児期の性的虐待・身体的虐待)
診断はPTSDの診断(再体験(フラッシュバック)、過覚醒、回避麻痺症状)に加えて、以下の様な深刻かつ持続する症状によって特徴付けられます。
1)感情コントロールの困難さ
2)トラウマ的出来事に関する恥辱・罪悪・失敗の感情を伴った、自己卑下・挫折・無価値感
3)他者と持続的な関係を持つことや親近感を感じることの困難さ
これらの症状は個人・家庭・社会・教育・職業・その他の重要な領域で深刻な機能不全をもたらしている。
PTSDの状態とは異なる点は、感情のコントロールの困難さ、ネガティブな自己観、対人関係の問題などが含まれているという点ですね。日常生活を送っていく上での困難さが、複雑性PTSDの場合抱えてしまうのです。
アダルトチルドレンの問題は、この複雑性PTSDの状態とリンクする部分もあるかと思います。
トラウマの症状、感情面、自尊心、対人関係の疎外感などの複合的な問題を抱えてしまういう事は、「生きづらさ」を抱えていまうのも当然かもし知れません。
また複雑性PTSD治療はPTSDの治療と比較して難易度が高いと言われています。治療期間が長くかかったり、治療者の技量に左右されたりという問題が複雑性PTSD治療では起こって来るのです。
そして複雑性PTSDの場合、幼少期におけるトラウマの問題からトラウマ性健忘の問題も治療のハードルとして考えられるかと思います。幼少期の記憶が欠損してしまう状態。
当時の記憶がないけれど、トラウマのフラッシュバックの症状やその他症状を抱えてしまっている状態などがあります。
トラウマの記憶が欠損している分、ご自分の問題を「自分のせい」と帰属してしまう事がもしかしたらあるかもしれません。またトラウマ性健忘の影響により、トラウマ治療を進めていても核心的なトラウマに手が届かないというジレンマが起こってくる事も考えられます。
それによって「自分がおかしいのでは?」、「自分が偏っているから」と自分が問題と捉えてしまっている。でもそれは間違って帰属している事が考えられます。
記憶の欠損が起こっている場合、トラウマ治療では手が届きにくく複雑性PTSDからの回復というのが難航してしまう事が考えられます。
しかし師匠の大嶋先生がご提唱しているFAP療法は、これらの複雑性PTSDの治療の難点(治療期間の問題、治療者の技量に左右される点、記憶の問題)をクリアしていく非常に優秀であります。
FAP療法は短期間に安全な形で、記憶から欠損しているトラウマの問題についてもアプローチしていく事が出来るのです。
日々、複雑性PTSDからの回復される姿を拝見しています。その姿を拝見させて頂くと、戦場のトラウマを越え自由に生きられる姿は美しいなと思うのでした。
●ご興味のある方はこちらからご予約を頂けます。
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい
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