複雑性PTSD 2022/05/21 (土) 1:49 PM
現在、ボストンの方でトラウマ国際会議が開催されています。バンデアコーク先生が率いるTrauma Research Foundationが主催する学会であります。今年は33回目の開催であります。
ここ数年はバーチャルでの開催でしたが、今年から現地ボストンでの開催となりました。私は日本からバーチャルで参加しました。
バンデアコーク先生を拝見できて「キャ~!」って感じでありました。今年はジュディスハーマン先生もご登壇される感じで、特別な学会となりそうです。
現地の参加者、そしてインターネットの参加者の熱気が「ウオ~!」って伝わってくる感じでありました。
ボストンは私にとって大切な場所となります。20年程前に、トラウマ治療に従事する専門家の方々と一緒にボストンのトラウマ治療の研修に参加しました。非常に楽しい思い出となっております。
バンデアコーク先生、ジュディスハーマン先生らが取り組んでいる施設を訪問し、研修を受けて来ました。ボストンは私にとって大切な場所となっております。
学会ではDevelopmental Trauma(発達的なトラウマ)を主軸に、脳機能の関係性、その他様々な治療の可能性について、第一線でご活躍されている先生方のお話がありました。
日々、様々なトラウマの問題を抱えた方々の回復を拝見しています。幼少期のトラウマは複雑性PTSDの状態をさしているのです。
複雑性PTSDは、世界保健機構(WHO)が発行するICD-11の中で初めて診断基準として掲載されているものです。それは以下になります。
複雑性PTSDはPTSDの3つの状態(再体験(フラッシュバック)、過覚醒、回避麻痺症状)に加えて、感情のコントロールの問題、ネガティブなセルフイメージ、人間関係における親近感を感じる困難さなどが挙げられます。
これらの状態を抱えていますと「生きる」という事は、自ずと苦しくなってしまう感じがあるように思います。
多くの幼少期のトラウマを抱えた方々がご来室され、その回復される姿を拝見しています。戦場のトラウマを越え、自由に生きられる姿は本当に素晴らしいなと実感致します。
そして彼らの回復から「人はどんな事があっても、それを越え自由に生きられるのだな」っていう事を教えて頂く感じがあります。
トラウマを認め、手放し、そしてご自分の豊かな未来を見据え生きる姿。トラウマの過去を整理し”私”らしい人生を生きるための「何か」が残っていく。
そしてそれを携え私らしい人生を歩む姿。
非常にお見事だなって思うのでした。
●ご興味のある方はこちらからご予約を頂けます。
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい
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