カサンドラ症候群 2022/04/08 (金) 4:26 PM
そら豆が随分とワサワサと大きくなって来ました。最初は小さい双葉だったのですが、いつの間に~って感じであります。
毎年恒例のそら豆であります。5月ぐらいが収穫となります。お花が咲き、少しずつ実がなる展開かも知れません。
長年、家族をベースとした臨床現場でやって来ました。臨床心理の学校では「家族と子供」専攻でありまして、長く家族関係の問題を学び続け、カウンセラーとして仕事をさせて頂いております。
非常にそのフィールドの仕事をさせて頂く中での醍醐味は、色んな問題を乗り越えて来られたケースの方々の変化から「人の可能性」の凄さを拝見出来たという事です。
どんな事があっても人は、そこから立ち上がり、そして自由の方向の向かって歩いて行けるのだという事をクライアントの皆様の回復される姿から学ばせて頂いている感じであります。
「家族」というのは、ある意味、人にとっての安全基地的存在であるように思います。
だからこそその関係が修復されて行くにつれて、家族メンバーが元気を取り戻し、それぞれが自由になって行く展開が起こってくるのだと思います。
一人一人の信頼を取り戻し、一体感と調和の中でお互いに支え合って行く関係。そんなことが家族の回復の中で見えてくるように思います。
そんな信頼をベースにつながっている家族の中で、互いに理解し合えないという事は、ご自分にとっての安全基地を奪われてしまうのと同義だなと思います。
他人ではなく家族メンバーが本当に大切な事を理解できない。それは非常に大きな心の痛手として楔を打つ事となるかも知れません。
特にパートナーが、相手の気持ちを理解できない。また理解する能力がない。そんな時、人は非常に苦しみに陥ってしまうかも知れません。
心理学用語で「ダブルバインド」という言葉があります。
表向きのメッセージと、裏向きのメッセージが異なる場合、そのメッセージの受け手は混乱してしまう。そしてその結果、心の適応力が落ちてしまうという事が言われています。
例えば優しくしてくれる夫がいる。世間的には「甲斐甲斐しい夫」、「いい夫」かも知れない。
だけれども妻が対人関係で問題を抱え、夫に話を聞いてもらう。すると夫は妻に危害を加えた相手の立場になって「その人は大丈夫なの?」っていう対応をしてしまう。
妻は相手から攻撃を受けて苦しい目にあい、夫に理解して欲しいのだけれど、夫は攻撃を仕掛けて来た相手の気持ちになって相手の方を気遣ってしまう。
そうなった時、一見すると「甲斐甲斐しい夫」、「いい夫」からのダブルバインドによって、心のバランスを崩してしまうという事が起こってくるのです。
家族は安全基地として存在するものだけれど、心の拠り所としてのパートナーが、一見すると安全基地的な感じだけれども、実は本質的には全く違っていた。妻にダブルバインドを入れ拘束する存在だったという事なのです。
この一見すると表面的には見えない、掴み所がないパートナーとのコミュニケーションの中に、苦しみの本質があるのかも知れません。
「カサンドラ症候群」というのは、このような目に見えないけれど、そこにある苦しみを指しているのかも知れません。
当相談室では「ご夫婦関係の中で何が起こっているのか?」についてお話をお伺いさせて頂きながら、問題を解決する糸口を模索しご提示させて頂きます。
●ご興味のある方はこちらからご予約を頂けます。
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい
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