HSP 2022/01/30 (日) 8:13 PM
HSP傾向と幼少期のトラウマの問題ってリンクしているなって思う事が度々あります。
アメリカの心理療法家エレイン N・アーロンは、感受性や共感性が敏感で、対人関係にやすらぎを覚えることができず疲弊してしまっている人を、 HSP(highly sensitive Person)/HSC(highly sensitive Child)と呼び、心理学的な概念として提唱しています。
アーロンは、以下の4つの特性が強いとHSPの傾向があると述べており、4つの特性の頭文字を取って「DOES」と呼んでいます。
1. 情報処理の深さ(Depth of processing)
ひとつの事にじっくりと時間をかけて真摯に取り組むため疲弊してしまう。
2.刺激の感じやすさ(Over stimulated)
HSPの方々は感受性が高く、この情報の取捨選択が難しくなってしまう為、外界からの刺激を処理するにあたり、疲弊してしまう傾向がある。
3. 情緒的反応と高い感受性 (Emotional reactivity and high empathy)
感受性の高さによって、人との境界線を作る事が難しく巻き込まれてしまう。
4. 微細な刺激に対する感受性 (Sensitivity to subtle stimuli)
音、匂い、光、人からの言動などに対し人一倍敏感になってしまう。
日々、様々なクライアントの方々がご来室されています。
HSP傾向のある方々も多くおられます。
感受性が高く、非言語的なコミュニケーションも捉えられる感覚の鋭敏さをお持ちでいらっしゃいます。非常に感受性と観察力が優れ、カウンセラー顔負けの鋭さをお持ちでいらっしゃるように思います。
これらのHSPの4つの特性についてカウンセラーとして実感するのが、HSP傾向と幼少期の家庭環境の緊張感や虐待やネグレクトの問題についてです。
実際にトラウマの問題では「過覚醒」という状態があり、緊張感が高く、周りの様々な刺激に対し過敏に反応してしまう問題もございます。
幼少期の問題を抱えていますと、まずは「自分がそのままでOK」という感覚が削がれてしまうのです。
すると大人になって常に職場やその他の人間関係の中で、「人の気持ちが中心」で動いてしまう傾向があるように思われます。
「〇〇さんはどんな風に思っているのか?」って感じで、相手の気持ちに感情移入してしまうのです。
相手が問題を抱えている場合、ご自分もまたその感情に振り回され疲弊してしまうという事が起こってくるのです。
不安がベースとなって「他者の気持ちが中心」がベースとなってしまうので、周りの気持ちや期待に過剰に応えるべく行動をされる。その結果、一つの物事に完璧を求め、物事を進めて行くのが苦しくなってしまう事もあるかもしれません。
このようにHSPの問題というのは、幼少期から抱えている不安な緊張感がベースとして、HSP的な様々な問題と発展しているように実感致します。
幼少期の「根底にある恐怖」を抱えていらしゃる。
その結果、繊細で緻密な傾向を抱えてしまうがゆえに、周りの人の感情や物事に敏感になってしまい、心が揺さぶられて疲弊してしまう。そんなメカニズムがあるように思います。
HSP的な問題を抱える方々は、幼少期の問題が解放されるにつれて「”私”が楽なポジション」が見えてくるようになります。それまで周りの人間の様子や顔色に心を奪われ、そして「他人軸」で行動をされる。だけれども、それには無理が生じてしまい、疲弊してしまっていた。
そこから「”私”は何を感じている?」っていう、ご自分の感覚を感じられるようになるのです。「”私”の感覚」を感じられて、そして”私”を中心として動いて行く事ができるようになります。
そして”私”の中から感じられる感覚を中心に動いて行かれるので、パワフルに自分らしく自由になって行かれるのですよね。
周囲に使っていたエネルギーを取り戻し、そして”私”が楽に自由に生きるために使っていける。
人間関係や物事に対し、省エネモードで対応でき私らしく自由に生きていかれるのです。
その姿は非常に美しいのですよね。
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【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
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