FAP療法, アダルトチルドレン, カウンセリング, トラウマ治療, 横浜, 複雑性PTSD 2021/12/04 (土) 12:46 PM
時々、ボチボチと複雑性PTSDの論文を読み進めている感じがあります。
私にとっては、日本にいるのですが世界のトラウマ治療の領域を旅しているように感じます。
論文を読むにつれて、トラウマの問題に情熱を注ぐ強者達の凄さに「いいな~!」って気持ちになります。トラウマというのは人の心に楔を残し、そして人の人生に影響を及ぼすかもしれない。だけれどもそれを上回る程の知の力と情熱というモノを感じます。
私自身、幼少期のトラウマの問題を抱えた中で、トラウマの問題に圧倒され無力というモノを感じさせられた様に感じます。
だから「そんなものに負けてたまるか!」って感じで、このように世界の優秀なトラウマ治療の臨床家の人達の脳と繋がり学び続けているのかもしれません。「トラウマを越える何かが欲しい」って、ずっとそれを求めて来たように思います。
師匠の大嶋先生とFAP療法との出会いもまた「力」を頂いてきたように思います。「本当にトラウマから自由になるには?」っていう事を求めて、そして納得行く形でのトラウマ治療のあり方を求めてきたように感じます。
そんな中で「EMDRの人格障害の問題を抱えるPTSDの有効性について」という論文を読みました。『Feasibility of EMDR for post traumatic stress disorder in patients with personality disorder: a pilot study』Christina W. Slotema et al, (2019)
非常に興味深い論文でありました。
内容としては、47人の参加者を対象にEMDRを行っていったというのです。
その82%は子供時代のトラウマの問題を抱えていたというのです。
その治療結果としてPTSD、不眠、解離症状は改善したけれど、幻聴、自傷行為については改善したなかったというのです。そして参会者の40%は臨界値(問題を示す基準値)以下となったけれど、60%はそのスコア以上だったというのです。
PTSDの症状は改善したけれど、臨界値以上が60%となった理由として、著者は子供時代にトラウマを経験した人達が82%存在したからという風に仰っていました。
この部分って非常に興味深いな~って思いました。
日々、様々なクライアントさんのケースを対応させて頂いています。多くの方々が幼少期のトラウマの問題(複雑性PTSD等) を抱えていらっしゃいます。
その戦場のトラウマを越えて、なおかつ「自由に生きたい」と求めていらしゃる方々ばかりです。
その方々が過去を越え、自由に今を生きる姿を拝見する時、「人はどんな事があっても自由に私の人生を生きる事が出来るのだ」と思うのです。
FAP療法は、そんな幼少期のトラウマの問題に対応できる療法なのだなって、改めて論文を読みながら実感したのでした。
これからますます複雑性PTSDの論文を読み進めながら、世界のトラウマ治療の領域を旅をしていきたいと思うのでした。
●参考文献
『Feasibility of EMDR for post traumatic stress disorder in patients with personality disorder: a pilot study』Christina W. Slotema et al (2019)
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