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国際トラウマティックストレス学会に参加しています

未分類   2019/11/17 (日)  3:59 AM

こちらのブログを少しずつ書き進めて行きたいと思います。

ちょっと専門的になるかと思いますが、ご興味のある方はチェックしてみてください。

こちらのブログはトラウマ治療について特化した内容を書き進めて行きたいと思います。

 

現在、アメリカはボストンの国際トラウマティックストレス学会に参加しています。

私の大好きなボストンで開催される事を、ちょっとワクワクしながら参加しています。

 

学会での様々な発表を拝見していますと興味深いな~って思いました。

アメリカは戦争トラウマの問題を抱えている影響で、学会で発表をされるケースは戦争帰還兵のPTSD治療のテーマが多いように思いました。

 

「アメリカではどんな治療法が取り組まれているのかな?」って思ったのですが、個別やグループでの認知行動療法や心理教育的なアプローチを提案しているようでした。いくつかの戦争帰還兵の治療施設でも同様に認知行動療法を提案されていて、それらが主流のようでした。

 

Phillip Held氏の発表されていた報告では、戦争帰還兵を対象に認知行動療法を個別枠とグループ枠、そして心理教育の介入で3週間後、そしてその後の1年後の状態について比較検討した研究でした。1年後の結果ではその効果は継続していたという報告でした。

 

「ほ~凄い結果だ~!」って思いました。

 

ポスターセッションでちょっとお話をする機会がありました。世代間連鎖について研究されているアメリカの研究者でした。私が「どんな治療法を使っているのですか?」って質問をしたら「認知行動療法とEMDR」とおっしゃっていました。

 

「ここでも認知行動療法などのだ~!」って思いました。

 

私自身の臨床のフィールドは、幼少期からの長期的なトラウマを抱えた複合性PTSDの方々がメインであります。その際によくある問題として出てくる事が、幼少期のある一定の期間の記憶がない問題を抱えているという事です。トラウマの問題を抱えていますと、この「健忘」という問題が起こって来ます。

 

私の師匠は「本当のトラウマは氷山の下の部分にある」と仰っていました。

つまり記憶のあるトラウマよりも、記憶から忘却されているトラウマが本当のトラウマで、トラウマの症状は、その部分が問題となると思うのです。

 

だから「トラウマからの本当の意味での回復」って思った時に、認知行動療法だけでは限界があるのではないかな?って、ちょっと斜めに構えながら発表を聞いていました。

 

FAP療法では、記憶から忘却されている部分。

その部分についてもアプローチできる。その記憶から忘却されてしまっているトラウマにまつわる記憶と感情を統合していける。「FAP療法は非常に優秀な療法なのだよ~!」って事を、英語の壁を感じながら様々な学会の発表を聞いていたのでした。

 

【執筆者情報】

 大塚  静子

 

資格

  • 臨床心理士(NO:18162)
  • FAP療法上級資格取得

 

所属学会

  • 日本臨床心理学会
  • 日本ブリーフサイコセラピー学会
  • 国際トラウマティックストレス学会
     (International Society for Traumatic Stress Studies)

 

経歴

  • 2005年 アライアント国際大学/カリフォルニア臨床心理大学院 臨床心理学
    修士課程卒業
  • 2005年7月 アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックにて依存症治療に携わる。
  • 2009年7月 アダルト・チルドレン第一人者の斎藤 学先生がやっておられるIFF・CIAP相談室勤務。家族臨床、トラウマ治療について研鑽を積む。
  • 2014年7月 横浜にてカウンセリングルーム・グロース設立。
  • 2015年4月 浦和大学 総合福祉学部 非常勤講師 「心理療法」,「精神保健学」担当

 

研究実績

研究実績はこちらをご参照下さい

 

著書 

『甦る魂』はこちらをご参照下さい

 

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