未分類 2024/09/29 (日) 6:34 AM
今日は学会の最終日でした。「あ~終わったな~」って感じであります。
来年9月にBaltimoreという場所で開催されるようです。
今日は主に性被害の社会的枠組みについての研究発表に参加しました。4人の研究者の方が発表されていました。
その一人は性的被害のスティグマに対する心理的影響について発表されていました。そのスティグマの問題によってPTSDが悪化しやすく、そして親密な関係からの疎外感を感じやすくなる傾向があり、その結果ソーシャルサポートにアクセスする機会が減少してしまうという事でした。そしてスティグマによって鬱、不安障害、PTSD、お酒の問題を発症しやすくなる傾向があると発表されていました。
また別の方の研究では性被害を受けた後、3ヶ月以内にPTSDを発症するのが全体の54%, 12ヶ月後の発症は全体の41%という数字が出たそうです。発表者は「どう早急にこの対処していくか」が鍵という事を仰っていました。
いかに早期にその問題を相談できる体制を作っていくか?
そして早期にPTSD発症を防ぐ取り組み等のご紹介がありました。
非常に興味深い発表だったと感じます。
また今回の学会に参加して興味深かった事は、様々な研究者の中にトラウマサバイバーである方がいらっしゃった事でした。質疑応答で「自分は性被害のサバイバーで、この問題を研究しています」と話をされていた方がいらっしゃいました。
また移民の当事者の方で自分は母国でトラウマを背負い、そして移民問題の苦しみを経験し、その過程でご自身の子供もトラウマを背負ったと仰っておられる方がいました。
その方はだけど自分は博士課程まで学び、この移民問題の研究をしていますと誇りを持って大勢の前でお話をされていました。
「あ~素晴らしいな~!」って思いました。トラウマの問題は拭い去れないほどの痛みを心に刻み、それによって人生が破壊されてしまうかも知れない。だけどそこにとどまっていない姿、そこに人生の意味を見出しながら、研究活動をされている姿に力を頂いたなと思いました。
トラウマを乗り越えて生き抜く逞しい姿、トラウマに対する知の力を感じました。
何だか素敵なモノを見せて頂いたなと思いました。
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい
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