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コラム:ストレス

未分類   2024/04/27 (土)  8:48 AM

ストレス:不快を感じるセンサー

日本を代表する現代アーティスト村上隆さんは、自分の作品の60%くらいはやりたくない仕事で、そのやりたくない仕事を克服してゆくことで新しい発想やアイデアが生まれてくると、NHKのインタビューで仰っていました。

 

一般にはこの不快感をストレスと言います。外的なプレッシャーを感じるセンサーが体に働いて、その場所から逃げる、予防する、その不快感とは反対方向を嗅ぎ分けて、自分にとっての快とは何か?を感じようとし、快の状態になろうとする機能を人間は持っています。

 

あるいは、不快を克服する作業がなくなると、人間は行動を失ってゆきます。すると、人間は不快を自己の中に作り出します。それが、虚無感や憂うつ、脱力、無気力などでしょうか。そして、これらの不快感から脱出しようとアクションを起こします。このように、人間は放っておいても正常であれば自分を快の方向へ自ずと向かわせる機能が備わっています。 ストレスには、人を快の方向へ向かわせるための逆説的な機能が備わっています。 

ストレス:早めの対処とは言うけれど

「ストレスは早めの対処が大切です」と、風邪薬のCMみたいに注意喚起されますが、その対処方法を知っている人は、おそらくストレスで悩まされることはないでしょう。ここで問題なのは、「ストレスは早めの対処が大切です」をわかっているけれども、そのストレスが手放せないということです。 

ストレス:ヘルプの信号が他者に送れない/送らない

 

人に相談しない 

・自分で解決しなければ意味がない 

・気分転換をする気にもなれない 

 

心に過酷を強いる上の状態は、完全な心の孤立へと向かってゆきます。孤立に取りつかれ、「自分独りで何とか一旗揚げてみたい」が生きる目標になりはじめますと、「それではあなたは具体的に何がしたいの?」がわからなくなります。その人にとっては「自分一人でやること」、「人に協力をお願いしないこと」が最上の価値となります。

 

そして、「自分一人で一旗揚げてみたい」はなんとなく聞こえがいいのですが、人に協力してもらうことが非常に苦手です。苦手と言うよりはそれを回避します。人に手伝ってもらうと過剰に自分は一人で出来ないんだとショックを受け落ち込みます。

自尊心が傷つきます。 

 

また、「人の協力を得ずとも自分はやってのけた」は中々手ごわい作業となります。回り道の時間のかかる作業となりますから、大きな生き甲斐にもなる訳ですが、10年、20年経っても芽が出ません。

 

すると、社会や他者に憎しみや嫉妬を覚えて、日常的に不機嫌になってゆきます。しかし、機嫌のいい、手際のよい、パフォーマンスの高い自分像に強烈な羞恥心や嫌悪感を覚えるクセが無意識に作られています。それを覆い隠すものが「真面目さ」や「誠実さ」という人柄だったするかも知れません。

ストレス:人様に迷惑を掛けてはいけないという心理

 

もうそのストレスはストレスと呼べる次元のものではなく、私の人格や性格を決定づけるものになっていますから、今更それをやめて明るく健康になりましょうと言われたって気が遠くなってしまう。

 

ストレスは日常化すると、一般には嫌がられる不快感が居心地のよいものとなります。皮肉っぽい独特な感覚を持った人となり、時にアートの世界で常識を覆す方もたくさんいらっしゃいます。けれども、こうした表現活動に昇華されることなく、生きづらさを感じていらっしゃる方もたくさんいます。 

 

自分の罪悪感の起源はいつだったでしょうか。 

 最初に親に迷惑を掛けているんだと感じたのはいつだったでしょか。 

 

・父の会社経営が上手くゆかなかったのは私がいたからだ 

 

・母が不機嫌なのは私が妹や弟の面倒をしっかりみないからだ 

 

・病弱な母の笑顔が見たい 

 

・二十歳過ぎても門限があるのは私だけ 

などなど 

 

母にも父にも、「私は○○がほしい」、「○○がやってみたい」なんて絶対に言えない。 

自分でなんとか、自分独りで何とかしなければ、、、、、、、。 

 

その当時は、あなたは子どもなのですから、ちっとも悪くはありません。母と父という両親が、お互いのよい部分を引き出しながら協力して励まし合うことができない夫婦の犠牲に、あなたがなっていたと思ったことはありますか。

 

お互いの足を引っ張ることしか考えが及ばない両親たちの認知の歪みを整えようと、子どもながらに我慢をし続けて来たあなたは、ずっとやってみたいこと、ほしかったものを「自分が迷惑を掛けている」という罪悪感の裏側に隠し続けて、その箱を開けるための暗証番号すら忘れてしまうほど感覚が凍結しているのかもしれません。 

 

家庭内で日常的に繰り返されてきたストレスは、複雑性PTSDの症状を慢性的に持ち続けている場合がありますから、ストレスの原因である過去のトラウマ治療が欠かせません。 

 

当相談室コンテンツ”複雑性PTSD”はこちらから 

 

ストレス:罪悪感なんか怖くない

「その罪悪感は私のものではない」を感じることができた時に、その人格までも形成してしまったストレスから、はじめて解放されます。解放とは、過去を冷静に判断し、今まで無駄遣いばかりしていた自分の能力を、自分の望むものへ向けて活用することができることです。

 

自分の感覚そのものが、他人に使用されない状態からの解放です。自己感覚よりも先に道徳感覚でみんなのために動きすぎていた場所から解放されると、こんなにも楽で、人々の不平不満の嵐に巻き込まれるかと恐れていたことが、単なる杞憂にすぎないと思えた時、言いたいことが言えて我慢や忍耐の美徳の嘘にもうだまされたりしなくなってゆきます。 

ストレス:自分の心の見えない部分に発見があります

 

顔には目と鼻と口と耳があります。皮膚は身体全体を覆っています。これらは自分に所属するものとして、私を形成していますが、自分では気がつかない部分が体には必ずあります。現に、首は360度動きません。目で物体を確認できる距離は限られているでしょう。各関節にしてみても、動ける範囲は限られています。人の身体には、自分で動かせない部分や見えない部分が必ずあります。 

 

けれども、体は自分のものです。自分のものだから自分が一番よくわかっていると思い込まされています。だから、世界全体をしっかり把握できているという思い込みを正して検証する機能として、自分の心に聴いてみる内省機能をすべての人間は持っていますが、犬が自分の尻尾に食いつこうとしてぐるぐる回る状態で、無駄な精神的浪費ばかりが続き、何故だかわからないけれど生きづらさを感じてしまうことはないでしょうか。言換えれば、自分の心の声が聞こえない心的難聴に心当たりはないでしょうか。  

 

客観的かつ冷静に本来の自分を見つける方法の近道は、他者との対話です。他者には私の見えない部分を見ることができます。意外な発見をさせてくれます。心理カウンセリングはこうした機能を持つ相談窓口です。正確に自分のストレスをキャッチできてない、失敗や余計な判断が多すぎて、自分自身が散乱していると感じていたら、是非ともご相談下さい。

 

●ご興味のある方はこちらからご予約を頂けます。

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