児童期性的虐待のトラウマと回復 2026/01/13 (火) 9:50 PM
家には色々な種類のシクラメンがあります。それぞれ個性あふれる感じが美しいな~!って感じます。
また児童期性的虐待の論文を読み進めました。Esti Vegaら(2023)の母親に焦点を当てた、児童期性的虐待への心理的な影響についての研究です。
各種研究論文で児童期性的虐待の精神への悪影響についての気づき、そしてその防止対策についての取り組みについての報告がなされている。しかし閉ざされた社会状況下では、これらの問題は過小評価されている傾向があるとしている。
研究では、母親に立場に立った視点で性的虐待が実際に起こっている事実、そして閉ざされた環境下において児童期性的虐待がどのような状況になっているかを調査した。
対象は347人のイスラエルの女性達。彼らは質問紙に答え彼ら自身、そして彼らの子供達が性的虐待を受けているかについて答えてもらった。そしてその問題に対する対応、性的虐待が起こっている事を打ち明けているか等について調査を行った。
結果として全体の対象者の24%の参加者が性的虐待の被害者だった事が分かった。そのうちの24.3%が警察や福祉施設の支援を受けていた。児童期性的虐待を受けた母親と子供は精神的健康度が低い傾向があったとしている。
こちらの論文を読みながら、児童期性的虐待を受ける事と、そのトラウマを背負って、その後の人生を生き抜いていくシビアさを論文を読みながら実感しました。
幼少期における児童期性的虐待の問題の一つとして、この論文の数字があるように介入されている率は低いという事を実感しました。幼少期からの児童期性的虐待を受け続けている事で、外部から助けを受けられる事が難しい性質もあるように感じます。
心理的な要因では家族メンバーからの児童期性的虐待の場合、それが慢性化してしまう場合、外に逃げ出す方法や力を持たず、その環境に居ざるえない状況が続き、結果として自分の感覚を麻痺(解離)させ虐待の状況下をサバイブさせられる事が考えられます。
しかしこれらの感覚麻痺をして耐え続けている事は、後の複雑性PTSDを発症してしまうという事が考えられます。
Laia Villalta (2020)の研究では、児童期性的虐待は複雑性P T S Dを発症する要因となり、そしてその症状(感情の不安定さ)を抱え生きさせられる結果、その後の人生において再びトラウマに晒されてしまう危険が高くなるという報告がありました。
逃げ場がない事によって、長期的に感覚を麻痺させサバイブするけれど、結果として複雑性P T S Dの問題に発展する事によって、その後の人生において健康的な心で生きるということが阻害されてしまうという理不尽な現実が、児童期性的虐待の問題の背景にはあるように思いました。
児童期性的虐待の当事者は、幼少期の発達過程の中での世界を広げ自由に生きる力を破壊されてしまうという事、そしてその後大人になって複雑性PTSDを発症してしまう事によって、生きる力を奪われてしまうという二つの問題を抱えさせられるように思います。
まず一番大切な事は、ご自分がどんな家族の中で生き抜いて来られた事を認めてあげるという事。そしてご自分の抱えている問題は、過酷な家族の中で生き抜いて来られた上でのトラウマの問題であるという事をご認識して頂くことかも知れません。
トラウマの問題から解放されるにつれ、ご自分の過去を大切な歴史の一部として位置付けていく事が出来、その上で本来のご自分の人生を再び生き直していく事ができるようになるのです。
【参考文献】
Esti Vega & Rivka Tuval Mashiach.(2023). Awareness, Incidence and Psychological Wellbeing of Childhood Sexual Abuse as Reported by Ultra-Orthodox Mothers, Journal of Child Sexual Abuse,Volume32.
Laia Villalta et all.(2020).Complex post-traumatic stress symptoms in female adlescents: the role of emotion dysregulation in impairment and trauma exposure after an acute sexual assault. European Journal of Psychotraumatology,11-1.
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ご興味のある方はご参照下さいませ。
【執筆者情報】
大塚 静子
資格
所属学会
経歴
研究実績
研究実績はこちらをご参照下さい。
著書
『甦る魂』はこちらをご参照下さい。
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