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不安障害

不安障害とは

この分類は米国精神医学会のDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き)にのっとっています。「不安障害」は不安を主症状とする疾患群をまとめた名称となります。その中には不安症状を呈するものや、物質(酒・薬 等)によるものが含まれています。中でもパニック障害は不安が特徴的な形をとって現れる点で、不安障害を代表する疾患といえるでしょう。

不安障害の分類と症状

不安障害の主症状は不安です。不安とは漠然とした恐れの感情で、誰でも経験するものですが、はっきりした理由がないのに、あるいは理由があってもそれと不釣り合いに強く、または繰り返し起きたり、いつまでも続いたりするのが不安障害です。不安のあらわれ方に色々な形があり、それによって不安障害の分類がなされています。

 

●分離不安障害

愛着のある人からの分離が予期される時の過剰な恐怖・不安感や苦痛を抱える。そして分離に対する抵抗や拒否感を抱える。また分離と主題とした悪夢を反復的に見たり、頭痛、胃痛、吐き気等の身体症状が出る場合もある。

 

●選択性緘黙(かんもく)

他の状況では話をしているにもかかわらず、話す事が期待されている特定の社会状況(例:学校)において、話す事が一貫して出来ない。

 

●限局性恐怖症

特定の対象または状況(例:飛行機に乗る事、高所、注射される事、血を見る事)への顕著な恐怖と不安。それらの状況では即時、恐怖や不安を誘発してしまう。それによって恐怖の対象または状況は、積極的に避けられる、または強い恐怖や不安を感じながら耐え忍ばれている。

 

●社交不安障害

他者の注目を浴びる可能性のある一つ以上の社交場面に対する、著しい恐怖または不安。

 

例として、社交的なやりとり(雑談する事、良く知らない人に会う事)、見られる事(例:食べたり飲んだりする事)、他社の前で何らかの作業をする事(例:雑談をする事)などが含まれる。

 

その人は否定的な評価を受けることになると恐れている。そしてその社交状況は回避され、または強い恐怖または不安感を感じながら耐え忍ばれる。

 

●パニック障害

繰り返される予期しないパニック発作、パニック発作とは、突然、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分いないでピークに達し、その時間内に動悸、発汗、震え、息苦しさ、窒息感、めまい、寒気または熱感、現実感消失、死への恐怖感などのが起こる。

 

●広場恐怖

交通機関(例:自動車、バス、列車、船、飛行機)の利用、広場(例:駐車場、市場、橋)、囲まれれた場所にいること(例:店、劇場、映画館)、列に並ぶまたは群衆の中にいること、家の外で一人でいる事等の状況において顕著な恐怖または不安感がある。

 

それらの広場恐怖の状況は積極的に避けられ、仲間の存在を必要とし、強い恐怖または不安を伴って耐えられている。

 

●全般性不安障害

仕事や学業などの多数の出来事または活動についての過剰な不安と心配が、起こる日の方が起こらない状態が続く。また過剰な不安と心配の他に、落ち着きのなさ、緊張感、疲れやすさ、集中困難、怒りっぽさ、筋肉の緊張、睡眠障害等の状態を伴っている。

 

●物質・医薬品誘発性不安症

パニック発作もしくは不安感を抱えている。そしてそれらの不安、パニック状態が物質(酒・薬 等)中毒または離脱の期間中、またはその直後に発生している。

不安障害のカウンセリング

当相談室では不安障害に対するカウンセリングとして、幼少期からの家族的背景を基盤とするトラウマの問題に焦点を当てながら進めさせて頂いております。

不安感の背景として、幼少期における家族内のトラウマとリンクしている場合が考えられます。

 

幼少期における親子関係の葛藤(虐待・ネグレクト)の問題がありますと、人への基本的信頼を構築できないまま成長して行く事となります。その状況では社会の中で、特に社交場面において人との交流の中で不安を感じてしまう事は当然と言えるでしょう。

 

また過去のトラウマによる影響によって、常に不安・緊張状態に陥ってしまい、普段から体の硬直感や不眠傾向を抱えてしまう事は良くございます。

 

当相談室では初回面接において、幼少期におけるご家族のお話をお伺いさせて頂きます。その中で不安の原因となるトラウマの問題を把握させて頂きます。

2回目以降からFAP療法を用い、その原因となるトラウマの問題についてトラウマ治療をご提案させて頂きます。

 

幼少期におけるトラウマの問題が解消されるにつれ、それまで抱えていた不安・緊張感等問題が解放されていきます。FAP療法を用いトラウマ治療をご提案させて頂く事で、安全に効率良く不安の問題から解放されて行きます。

不安障害のカウンセリング(症例1)

●ご相談内容  <対人コミュニケーションの不安感>

 

複数の人達とのコミュニケーションの場にいると、不安と緊張感の為に何を話をしていいか分からない状態となってしまっていた。そして人と会った後も「一緒にいた人達からどう思われているたのだろうか?」、「あの言葉は余計だったのだろうか?」と自分を責めてしまう思考が頭から離れない状態となっていた。

 

その為、人とのコミュニケーション自体が非常に苦しくなってしまっていたのでした。

 

●問題の成り立ち

家族的背景として、CLの父親はお酒を飲むと暴言や暴力を振るう人であったという。父親がお酒を飲むと家では緊張がはしって、その対応に母親は振り回されていたという。母親は父親に対する愚痴をCLにこぼしていた。

 

CLは「離婚すればいいのに」と思っていたが、しかし母親は「あなたの為を考えると離婚はできない」と言っていたという。CLはこの状況を我慢するしかなかったという。

 

これらの背景から、父親から母親への暴力を振るうのを目の当たりにしており、間接的なトラウマ(セカンダリートラウマ)を抱えていた事が考えられる。

また母親はCLにとっての安全基地的存在ではなく、CLはこの状況の中で母親を支えなければならない立場となってしまっていた。

 

これらのトラウマの要因(父親の暴力を目撃したトラウマ、母親からの情緒的ネグレクトのトラウマ)によって、人への恐怖感の問題が引き起こされていたと考えられた。トラウマの恐怖から人への安心感を感じられず、人とのコミュニケーションが苦しくなってしまっていたと考えられた。

 

●経過

FAP療法を用い「父親の暴力のトラウマ」、「母からのネグレクトのトラウマ」についてトラウマ治療を行なっていった。

 

面接経過と共に、次第に人への恐怖の感覚「人が自分に対しどう思っているか?」という囚われから解放されて行った。それと反比例する様に、それまではCLは「人がどう思っているか?」の世界を生きていたが、CLが主体のご自分の感情が感じられて来る経過を確認する事できた。

 

これまで普通に仲良くやっていたと感じていた関係性は、実は不快な関係性であったという事に気がつかれる。また一生懸命に仲間にならなければいけないと頑張っていた関係性も、CLにとって実は苦しい関係性だったと気がつかれた。

苦しい関係の中で、我慢をしていた事に気がつかれたのでした。

 

そして対人関係で過剰適応する傾向が減って来られたのでした。そしてご自分にとって楽しい事、心地良い事をする時間が増えて来られた。それまでは「人が自分をどう思っているか?」という事で頭が一杯になってしまっていた。

 

トラウマの恐怖から解放されるにつれて「人は人、自分は自分」という軸が育って来られ、生きる事が楽になって来られたのでした。

不安障害のカウンセリング(症例2)

●ご相談内容 <全般性不安障害>

将来の不安感が拭えない。その不安と焦燥感のために、一生懸命に動こうとするが空回りをしてしまう。そのため日中は疲れてしまい集中力がなくなってしまう。また朝方まで寝付けない状態となり疲れが取れない。その悪循環のため日中は集中して動いたり、今後のために考えたりする事が難しい状態となっていた。

 

●問題の成り立ち

CLは幼少期から勉強ができて優秀な子供だったという。2人姉妹の妹は、CLほど勉強は出来ない子であった。母親は優秀なCLより妹を可愛がっていたという。CLがテストでいい点数を取って来ても、母親は褒めなかった。

また幼少期から母親はCLを他の子供と比較して「可愛くない」と貶したり、意地悪な態度をとって来たという。

 

CLは、優秀である事を母親から嫉妬されて、それによってネグレクト状態となっていた。CLは「ネグレクトのトラウマ」を抱えていたと考えられる。

また母親との関係では、常に否定される経験を繰り返しており、幼少期から母親との関係で安心感を得られない状況であった。そのトラウマ(恐怖)から、日常生活において不安や恐怖感を抱えてしまっていた事が考えられた。

 

●経過

面接は主に母親との関係「ネグレクトのトラウマ」について、FAP療法を用いトラウマ治療を提案していった。

 

トラウマ治療を進めていくに連れて、不安や焦燥感を抱えてしまっているが故に、ご自分が空回りしていた事が客観的に把握できるようになられた。

母親からのトラウマの問題が解消されるに連れて、不安や焦燥感が緩和して行った。それと同時に、何も考えないでゆっくり過ごせる時間が増えて来られた。

また同時に不眠の問題も改善していく経過を確認できた。

 

常に頭の中にあった自分をダメ出しする思考は、当時母親からダメ出しされていた感覚だった事もわかって来られた。母親から優秀であるが故に嫉妬され、何をやってもダメ出しされていたのでした。

 

それによって自分の感覚が麻痺してしまい「本当にやりたいことが何か?」、「今、何を感じているのか?」という事を見失ってしまっていたのでした。

回復と共に少しずつ、不安や焦燥感とはまた違った、ご自分の感覚を感じられるようになり、その感覚でもって動けるようになって来られたのでした。

 

また焦燥感の悪循環によって動き回り続けていた結果による、慢性的な疲れから解放されて行った。それと共に、柔軟な形で今後のライフスタイルについて考えていく余裕が出て来たのでした。

 

●カウンセリングをご希望の方は、こちらをご参照下さいませ。